「紙好きさんはこの動画を視聴せよ!?」 ~タナカヨウコの篆刻探訪記 #050~
「紙好きさんはこの動画を視聴せよ!?」
●リトアニアの紙好きさん
2年前の夏、買い付け先のリトアニアはヴィリニュスで、とある工房を訪れた。
アイスブレイクの長いティータイムから始まって、ひと通り商談を終えたあと、
英語が苦手な社長との間に、通訳として入ってくださった奥さまに、お土産を渡した。
到着後に決まった現地アポイントだったこともあり、手持ちで間に合わせた感満載だった(苦笑)
「日本の和紙でできた便箋です」
アート関係の仕事をしている日本贔屓の彼女は、大変喜んでくださった。
「ワーオ、なんて美しいの!?
ジャパニーズぺーパーは素晴らしいわ!
指先で触れたときのあの手触りと、紙と紙とが擦れるときのあの音。
あとね、匂い、紙の匂いが、う〜ん、なんとも言えないのよね!」
あとね、匂い、紙の匂いが、う〜ん、なんとも言えないのよね!」
この時、私は確信した。
彼女は正真正銘、紙好きさんであると。
海を越えて紙好きさんと紙の話ができるなんて、この上ない喜びである。
もちろん、商談成立の次に…(笑)
もちろん、商談成立の次に…(笑)
●日本の紙好きさん。
ただただ、紙と印刷物が好きで、特に紙の束が大好きな私なので、本も大好物である。
「本が好きです」と言うと読書家に間違えられ語弊があるため、いつも、
「本という物体が好きです」と言うようにしている。
私の店は、いろんな国のいろんな雑貨の店なので、紙に特化しているわけではない。
だのに、なぜだか紙好きのお客さまが結構集まってきてくださる。
類は友を呼ぶ、のかな?なんて、ほくそ笑んでみたりして。
紙好きさんは店内を物色する動きでだいたいわかる。
選んでくださったお品を見て、それが確信に変わり、太鼓判が押される。
「紙、…お好きですか?」
恐る恐る聞いてみたところで、紙好き談義に花が咲く。
わかる人にはわかるであろう紙愛を、おおいに語り合う。
●紙好きの性。
雁皮紙、それはジンチョウゲ科の雁皮から作られる、薄手で半透明の和紙だ。
きめ細やかな表面は滑らかで、なんとも言えない艶があり、
触れた時に奏でられる「シャカシャカ」という音がとても上品に響き、
そりゃあもう、紙好きにはたまらない。
そりゃあもう、紙好きにはたまらない。
もちろん、こちらの動画に見る転写術も、大変面白く興味深い。
転写の瞬間などは、大人でも声をあげたくなるほどの感嘆に値する。
転写の瞬間などは、大人でも声をあげたくなるほどの感嘆に値する。
図工は大好きだから、朱墨が高くなければ、やってみたいとも思う。
そうは言っても、どうしても、
雁皮紙の方が気になってしまうのは、紙好きの性…だろうな、仕方がない。
紙好きさんには、是非とも、雁皮紙の音に注目してこの動画を楽しんでいただきたい。
雑貨屋コンロラン店主 タナカヨウコ
紙好きさんには、是非とも、雁皮紙の音に注目してこの動画を楽しんでいただきたい。
雑貨屋コンロラン店主 タナカヨウコ
タナカヨウコの篆刻探訪記
【記事を書いた人】
ライター:タナカヨウコ
北鎌倉「コンロラン」店主
旅行好きがこうじて北鎌倉に世界の雑貨を扱う雑貨屋オープン
ライター、イラスト、写真と何でもこなすマルチアーティスト
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