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篆刻アドバイス。初心者の印をプロが手直しするとどうなるか。泰子さんの場合

篆刻添削

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昔は人の印に刀を入れることができなくて悩んだ。
篆刻教室の時、アシスタントの大ちゃんはガンガン生徒さんの印を補刀して、生徒さんに喜ばれていた。
 
中国で篆刻の修行中、師匠は僕の印に刀を入れることはなかった。ただ批評するだけ。
日本に帰って、豊岡先生に就いてびっくりした。
生徒が持ってきた印にどんどん刀を入れて直して行くのだ。
 
でも何故か僕の印の批評をするときは、刀を加えることはなかった。
 
 
僕はそれがすごく嬉しかった。
 
 
どんな拙い印でも、僕にとっては子供だ。
直すなら自分で直したい。
少しでも他人の手が入ったら僕の印じゃなくなる気がしたのだ。
そんな気持ちがあったから、自分の生徒さんの印に手を加えることが出来なかったのだ。
 
でもみんな、直してくれと懇願する。
 
ある日、勇気を持って手を加えてみた。
そしたらその生徒さんは、ほんとにほんとに喜んでくれた。
 
僕は、ああ、これがみんな求めてたことなのかと思った。
 
生徒さん自身ががダメだと思っていた印が、生き生きと動き始める。
 
自分の印でも手を加えればこんなに変わるんだ。
 
そこから人の印に手を加えるのが楽しくなった。
ちょっと線を細くするだけで全く表情を変える印たち。
目を丸くする生徒さん。
自分の印じゃないみたい
 
そういうけれど、その土台を作ったのはあなた。
 
僕も人の印に手を加えることによって新たな発見をたくさんする。
補刀をするときは不思議と緊張はしない。
印が痒がっているところを掻いてあげ、
撫でて欲しがっているところを撫でるだけだから。
 
 
印の声を聞く。
 
 
そうすると自然と自分の進むべき道が見えてくる
それにはたくさんの印と戯れなくっちゃね。

 
 

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今年も色々なところに出張実演販売を行います
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【記事を書いた人】

篆刻家、加藤雨人(うじん)
1975年生まれ
北鎌倉の篆刻工房「かまくら篆助」にて毎日篆刻を彫って暮らしています
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篆刻家/役者/ラジオパーソナリティ/
 
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