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「ちいさなキャンバス」 ~タナカヨウコの篆刻探訪記 #022~

 「ちいさなキャンバス」 
 
 
●芋づる式興味。
 
大昔、まだまだ青かった(何が?)20代のころ、インドの細密画に興味を持った。
 
きっかけは、
そのころはまだハシリだったエスニック雑貨店にはまったことだったと思う。
 
エスニック衣料を好んで身に着けるようになり、
その主たる製造国、インドへの興味へと繋がっていった。
 
そして、そのインドへの興味が更に、アーユルベーダやらインド料理やら、
バックパッカー旅やら瞑想やらへの興味へと派生していった。
 
その同列に「細密画」があり、そこからヒンズー教の神さまや、
自分で細かい絵を書くことへと、芋づる式にすそ野を広げていった。
 
私の細かい絵や文字を見た友人の妹ちゃんに「お米に字が書けるのでは?」
と言われたことを、今でもほんのり覚えている。
 
 
●描くように彫る。
 
ちいさな石のキャンバスを、器用にくるくる回しながら、
ちいさなちいさな木登りねこを、ただただ彫り進める。
 
そんな動画を見ながら、「描く」と「彫る」は違うよね、と思う。
 
消しゴムはんこがはやり始めたときに、
(道具だけ揃えてすぐに飽きてしまったけれど)
少しだけかじったことがあるので、それくらいはわかる。
 
私だったらたぶん、ヒゲと目は、落としちゃうだろうなぁ・・・。
  
細かい絵が描けるからと言って、細かい絵が彫れるとは限らない。
最近では老眼予備軍(笑)で、細かい絵が描けるかどうかすら・・・危うい。
 
雨人さんはまるで絵を描くかのように、さらさらとはんこを彫っていく。
そして、その出来上がりに、みんなちゃんと表情があるからすごい。
 
しかも、彫っているだけの動画でちゃんと間が持つこともすごいと思う。
 
北鎌倉のちいさな店内で、ひとりのおじさんがひたすらはんこを彫るだけの動画に、
感心しながら見入ってしまう私は、きっと、相当のヒマ人か変人なのだろう。
 
 
雑貨屋コンロラン店主 タナカヨウコ
 
 

タナカヨウコの篆刻探訪記
 【記事を書いた人】


ライター:タナカヨウコ
北鎌倉「コンロラン」店主
旅行好きがこうじて北鎌倉に世界の雑貨を扱う雑貨屋オープン
ライター、イラスト、写真と何でもこなすマルチアーティスト
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