「WAKU WAKUさせて」 ~タナカヨウコの篆刻探訪記#023~
タナカヨウコの篆刻探訪記
「WAKU WAKUさせて」
●ミポリン
80年代アイドルブームの真っ只中、
「WAKU WAKUさせてよ・・・
DOKI DOKIさせてよ・・・」
と、歌っていたのはミポリンこと中山美穂さんである。
1986年に発売されたミポリン8枚目のシングルだ。
カラオケでも何度か歌った記憶があるけれど、
ミポリンだったら9枚目シングル「派手!!!」の方をよく歌ったかな。
そうね、人生にWAKU WAKUは必要だと思う。
●安いか高いか。
何かに対して、モノでもサービスでも何でもいいけれど、その料金を支払うとき、
何を求め、何に対して安い高いと判断するのか、考えてみる。
必要性、機能性、ブランド力、クオリティ、デザイン性、希少性、単なる好み・・・。
判断材料はたくさんあり、そこに個々の価値観の違いが切り込んで入る。
雑貨屋兼バイヤーをやっていて思うに、
特に、自分が海外で買い付けてきた雑貨の価格設定は難しい。
同じ雑貨に対して、
「安い」と言って買う人、
「安い」と言って買わない人、
「妥当」と思って何も言わない人、
「高い」と言う人、 など、いろんな捉え方がある。
私は、お客さまに納得してご購入いただきたいので、
誰もが納得できる価格設定ができるようになりたいのだが、それは無理だろう。
●WAKU WAKUは必要だ。
1万円の篆刻を「高い」と思う人がいると言う。
そしてそれは決して高くないと雨人さんは言う。
でも、なぜ高いと言われてしまうのかと言えば、そこにWAKU WAKUがないから?と。
そうか、そうだよ、そうかもしれない。
人間は常にWAKU WAKUしたい生き物なのだ。
不要不急の雑貨を買うに当たって、そこにWAKU WAKUと、
手にすることによって生まれる幸福感があれば、高いとは感じないのかもしれない。
篆刻に於いては、書などの作品に押さねばならぬ義務感で買ったのなら高いと感じる。
迷って選び、毎度押すのか楽しくなるような印なら、どちらかと言えば安いくらいだ。
なぜなら、そこにWAKU WAKUや幸福感があるから。
人生にWAKU WAKUは必要だということ。
そう、ミポリンの言う通りだったね。
雑貨屋コンロラン店主 タナカヨウコ
【記事を書いた人】
ライター:タナカヨウコ
北鎌倉「コンロラン」店主
旅行好きがこうじて北鎌倉に世界の雑貨を扱う雑貨屋オープン
ライター、イラスト、写真と何でもこなすマルチアーティスト
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