「線のポテンシャル」 ~タナカヨウコの篆刻探訪記 #024~
「線のポテンシャル」
●一本の線。
絵を描くときに、線を引きまくる練習をしまくった記憶がある。
線を上手に、思い通りに描けないと、絵だって上手に描けやしない。
習字を習っていたときにも、半紙いっぱいに横線と縦線を書いて練習して、
いつも手指を墨汁で汚していたっけ。
絵でも字でも、一本の線を引くということは基本であり、大切なことなのだ。
しかしながら私は、一本の線すら上手に引くことができない。
なんか歪む。
その要因は、心が歪んでいるからかもしれないし、
極端に集中力が欠如しているからかもしれないと分析している。
●線を紡ぐ。
紙に一本の線を引く。
更に一本の線を描き加える。
それをひたすら繰り返す。
短い線を紡いで曲線を作る。
線と線とが重なり陰影となり面をなす。
こうしてひとつの絵が創り上げられる。
線の前には点があるのだけれど、それはここではさて置いて・・・。
線のポテンシャル、高いよね。
●篆刻事始め。
「篆刻の彫り方、基本練習」と言いながら、小さな石の印面に、
縦数本、横数本の直線を彫り格子状にする、ただそれだけ。
えっ???それだけですか?って思ってしまうけれど、
たぶん、それが簡単そうに見えても結構難しくて、
それさえできればかなりの応用が利く、ということなのだろう。
●基本は大事。
私の描く、或いは書く線は歪んでいる。
上手にきれいな線は引けない。
いいのいいの、周りは「味がある」って言ってくれるから。
・・・な~んて誤魔化してきたけど、改めて線のポテンシャルの高さに気づく。
何に於いても、基本は大事。
今日は久しぶりに、線を引く練習でもしようかな。
タナカヨウコの篆刻探訪記
【記事を書いた人】
ライター:タナカヨウコ
北鎌倉「コンロラン」店主
旅行好きがこうじて北鎌倉に世界の雑貨を扱う雑貨屋オープン
ライター、イラスト、写真と何でもこなすマルチアーティスト
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