「まさか、そんな理由とは!」 ~タナカヨウコの篆刻探訪記 #040~
「まさか、そんな理由とは!」 タナカヨウコの篆刻探訪記
●『なんで、バルト三国なんですか?』
私の営む雑貨屋では、自分が海外に出向き直接買い付けた雑貨を中心に、
商社さんや日本のメーカーさんから仕入れたものを含む、いろんな国の雑貨を取り扱っている。
買い付け先は主に、ヨーロッパと東南アジア。
中でも渡航回数の多いエリアがバルト三国で、毎年、いづれかの国に、足を運んでいる。
最近だと去年の7月に、バルト三国全て(とポーランド)を周った。
(今年は専ら、妄想旅で我慢するしかないけれど・・・)
イギリス、フランス、ドイツといったメジャーな旅行先ではないせいか、
バルト三国に行く理由を問われることは、思いの外よくある。
「比較的治安が良くて、
ヨーロッパの中では物価も安い方で、
通貨はユーロだし、
クレジットカードも使えるし…。
あ、それと、
これは私にとってとても重要なんですけどね、
食べものが美味しいんです」
バルト三国に少しでも興味を持っていただきたいので、先ずは、旅先としての魅力を伝える。
更に、買い付け先として選ぶ理由を、簡単に付け加えておく。
「あとは、雑貨が自分の好みで、
…北欧雑貨、東欧雑貨、ロシア雑貨のいいとこ取りって言うんですかね、
手しごと品も工業製品もヴィンテージ品も魅力的なんです。
日本での流通量はまだ少ないので、
うちのような小さな店でも参入の余地があるかなって。
それから、街がコンパクトなので何かと動きやすいのは便利ですよ」
こうしていかにも理由めいたことを列挙すると、何だかそれらしく聞こえてくるのだが、
もう少し過去の記憶を遡ってみると、実はちょっぴり話が変わってくる。
●それは、偶然のような必然
自分が海外で買い付けた雑貨を扱うお店を開きたい!と考えた時、
その買い付け先として想定していたのは、疑う余地なく、東南アジアだった。
それが証拠に、開業前から決めていた店名はベトナム語由来である。
脱サラ後「買い付けの下見旅」として、最初に渡航したのは大好きなラオスで、
続いて訪れた地はミャンマーだった。
サラリーマン時代は、アジアばかりを旅していたので、無職で時間のあるうちに、
離職直後で貯金が残っているうちに、行ったことのない国に、足を延ばしておきたいと考えた。
どうせなら、物価の高い北欧を周ろう!(これを逃したら一生いけないかも!?)と、
情報収集を始めたところ、ヘルシンキ(フィンランド)からフェリーで、しかもたったの2時間半で、
タリン(エストニア)に渡ることができると、容易に知り得た。
もともとフェリー好きなこともあり、気分は盛り上がりまくる。
もしエストニアまて行くのなら、ついでラトビアとリトアニアもと、バルト三国メインの旅になった。
こんなふうに、たまたま行くことになったバルト三国が、いづれメインの買い付け先になるなんて、
この時の私は知る由もなかった。
結局、バルト三国に行き始めた理由は、たまたま、であり、なんとなく、なのだった。
あのとき、北欧をくまなくじっくりと巡っていたら、或いは他の国々を訪れていたら、
今とはまた、ちょっと違う店になっていたかもしれない。
●理由より結果
この動画の、「僕が中国で篆刻を学んだ理由」という題字が、目に飛び込んできた時、
そこに、とれほどの熱い想いや、どのような浪漫が隠されているのだろうと、勝手にワクワクした。
視聴てみたら、「へっ!?そんな理由なんですか…」
と、ある意味裏切られた気がしたけれど、まあ、そんなものだろうとも思う。
※この理由が気になる方は、動画をクリックしてね~。
理由なんて、そう大したことではない。
そこで得たものがあって、それが形になっていることこそが、大切なのだな、きっと。
雑貨屋コンロラン店主 タナカヨウコ
【記事を書いた人】
ライター:タナカヨウコ
北鎌倉「コンロラン」店主
旅行好きがこうじて北鎌倉に世界の雑貨を扱う雑貨屋オープン
ライター、イラスト、写真と何でもこなすマルチアーティスト
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