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「運動の才能ないの」 ~タナカヨウコの篆刻探訪記 #028~


 

「運動の才能ないの」
 
 
●立派なふくらはぎの悲劇。
 
運動が苦手。
走るのが遅い。
 

こどもの頃からずっと、そう言われて、そう思って育ってきた。
 
川本真琴さんは岡村靖幸氏作曲のデビュー曲で「愛の才能ないの」と歌っていたが、 

そう、私には「運動」の才能がない。
 

しかしながら、脚が、特にふくらはぎが、かなりの筋肉質なせいで、
ときどき瞬足に勘違いされることがある。
 
「いや~、見せかけだけなんですよ~」なんて言うと、
「またまた、謙遜しちゃって」なんて返されて、実際に走ってみせると、
あからさまにガッカリされてしまうから、どんどん、走ることが嫌いになっていった。
 

※姉も弟も同じ脚だから、この筋肉は遺伝だと思う。
 

ある分野において、自分には才能がないと思うことは結構ある。
私の場合それは、できない言い訳だったり、続けない諦めだったりする。
 

身体を動かすことも走ることも、そうだった。
 
 
●ヨガの悲劇。
 
サラリーマン時代、アラフォーと言われる歳になってから、ヨガをはじめた。
 

ブームに乗っかったように思われたくないので(笑)、予め言わせていただくが、
私の場合、東洋医学→アーユルヴェーダへのという流れから行き着いた興味の矛先だ。
 

妙齢となり、仕事以外の関心事が、美容から健康にシフトしはじめたころ、
どうにかして身体を動かさなくては!と思ったときに出会った。
 

ヨガに正解はない。
ヨガは他人と比べるものではない。
 

自分のペースで身体に問い掛けながら、できる範囲で気持ちよいポーズを取る。
そんなスタンスが、私に合っているように思えた。
 

スタジオ内の全面鏡に映る、不細工な自分の身体に短い手足、
なぜかギャグ漫画を思わせるポーズを見るのは拷問にも感じたけれど。
 

仕事帰りに休日にと、いくつかの教室を掛け持って、
自分に一番心地よいクラスを探していたある日のこと。
 

熱狂的なファンがつくような、あるお美人先生から、
ポーズについていけないことを、みんなの前で小馬鹿にされたことを機に、
急速にヨガ熱は冷め、パタリとやめてしまった。
 
 
●おばちゃんだから、できなくてもいい。
 

雨人さんも運動が苦手とは、ちょっと意外な気がするけれど、
30代になってボクシングをはじめた彼は、もうオッサンだし若い子にはかなわんと、
できない前提で取り組んだという。
 

確かに、あのヨガ教室の、
ちょっと目立つタイプの小学生女子が集まる放課後の如し独特な空間で、
まるでイジメに遭っているような体験は、かなり異様だった。
 

運動音痴のおばちゃんだからできなくて当然だしー、と、開き直って続けていたら、
プヨプヨの二の腕も、タルタルのお腹も、もう少しマシだったかもしれない。
 

という訳で。
 

次に、才能のなさを嘆くときには、この動画を思い出そうと思う。
…忘れなかったらね。
 
 

雑貨屋コンロラン店主 タナカヨウコ
 
 

タナカヨウコの篆刻探訪記
 【記事を書いた人】


ライター:タナカヨウコ
北鎌倉「コンロラン」店主
旅行好きがこうじて北鎌倉に世界の雑貨を扱う雑貨屋オープン
ライター、イラスト、写真と何でもこなすマルチアーティスト
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