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「名前にまつわるエトセトラ」 ~タナカヨウコの篆刻探訪記 #002~

 

 

「名前にまつわるエトセトラ」

 

 

●自分の名前が好きじゃない。

 
ものごころついたころから、自分の名前が好きではなかった。
母方の祖父が愛情込めて考えてくれたという名前を、全く好きになれなかった。
 
だって、普通過ぎるよくある名前だから。
 
こどもの頃から強い妄想癖のある私は、ステキな名前を考え、
自分がもしその名前だったら…という物語を思い描いてはうっとりしていた。
 
漫画家に憧れていたころには、来たるべき時に備えてペンネームを考える、という遊びが楽しみのひとつだった。
家族にみつからないように、こっそりサインの練習なんかしていた。
 
絵に記す署名を「マリリン」とした中学時代。
 
別のクラスの子に名前を訊かれ「アキナ」と答えた結果、あだ名でそう呼ばれるようになった。
 
本名を知らない子が教室に来て「アキナちゃん呼んで」と、クラスの男子に頼んだものだから、
「誰?それ??」となって、恥ずかしい思いをした高校時代。
(しかも中森明菜さんのファンだったわけではなく、
あのころはチェッカーズに夢中だった・・・)
 
他にもテキトーにテキトーな名前を名乗る、という意味不明な行為を重ねた結果、私にはいろんな偽名がある。
 
 

●普通でいいかも。

 
自分の名前も悪くない、と思えるようになったのは、オトナになってからのこと。
海外に行き、異国の方々と触れ合う機会を持ってからだ。
 
日本人の名前は外国人には発音しにくいものが多い。
そんな中、私の名前は外国人にも比較的発音しやすい上に、
著名人と同名なので、覚えてもらいやすい。
 
そのうち、こんなに地味な風貌で、昔考えていたようなキラキラネームなんか、逆に恥ずかしく、
もう、この名前以外は考えられなくなってきた。
 
私には普通過ぎるくらいの名前が丁度いい、そう思えるようになった。 
 

 

●由来なんかなくていい。

 
篆刻家の雨人さんも、こどものころはご自分のお名前が好きではなかったという。
 
破廉恥な?漫画の主人公と同じ名前で、からかわれた経験が主な要因らしい。
小学生にありがちなことだと思う。
 
自分の名前が好きじゃないという理由で、別の名前を名乗るその気持ち、よくわかります。
 
しかしながら、今も尚名乗り続ける「雨人」という名に、特段の意味はないと言う。
 
たぶん、そんなの、偶然だったりタイミングだったり、インスピレーションだったりするのだろう。
 
私の「マリリン」や「アキナ」のように。
 
もの凄くテキトーなノリで、雨人さんは雨人さんとなった。 
 

 

●名は体を表す。

 
きっと、名前には、後からついてくる意味合いもある。
 
「名は体を表す」という言葉通り、きれいな名前の方が美しいと、猛烈に説得力がある。
 
自分自身が創り出す成果から付加される意味もあると思う。
知らずにいた元来の意味を何かのきっかけで知り、しっくりくることもあるだろう。
 
「夏雨雨人(かううじん)」
 
暑い夏に、雨が降り民に涼をもたらす。
ちょうどいいタイミングで、求められていた恵みを与える。
 
最初は意味なんか持ち合わせてなかったとしても、実はステキな意味を持っていたなんて、
なんだかカッコよくて、なんだか悔しいのであった。
 
 
 
 
タナカヨウコ(雑貨屋コンロラン店主)
 
 
  

タナカヨウコの篆刻探訪記
 【記事を書いた人】


ライター:タナカヨウコ
北鎌倉「コンロラン」店主
旅行好きがこうじて北鎌倉に世界の雑貨を扱う雑貨屋オープン
ライター、イラスト、写真と何でもこなすマルチアーティスト
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