【文化を底上げしよう!】 ~タナカヨウコの篆刻探訪記 #068~
【文化を底上げしよう!】
●若者よ、篆刻家にならないか?
篆刻家に若者が少ないその理由を、雨人さんはこう分析する。
①篆刻家に誰もがその名を知るような有名人がいない。
②篆刻家で食べていけるほど儲かりそうにないと思われている。
①雨人さん有名人化
篆刻家に有名人がいない、篆刻界から有名人を輩出したいと雨人さんは言う。
確かに、私の知る篆刻家はただひとり、雨人さんのみである。
だったら、雨人さんがその有名人になればいいのかもしれないけれど、
篆刻そのものが万人に身近なわけではないので、そう簡単にいくとは限らない。
ターゲットが若者なら、有名人化の手段として、YouTubeは適切だと思われる。
それなのに、若者の視聴者は少ないらしい・・・ソーシャルメディアの世界は難しい。
そうは言っても、毎日地道にYouTubeへの動画投稿を継続して、
じわじわと登録者数を増やしていらっしゃる。
メディアや外部イベントなどでの露出と併せて、そのうち有名人になる可能性は否めない。
それでも雨人さん自身が有名になることが、一番の近道だろうから、そうなることに期待して、
ミーハーな田舎者としては、今のうちにサインでも貰っておこうかな・・・(笑)
②篆刻家は食べていける
篆刻が仕事になりその報酬で食べていける、すなわちそこそこ儲けになることを、
がっつり見せていきたいと、雨人さんは意気込んでいらっしゃる。
雨人さんの懐事情も、かまくら篆助さんの経済状況も、全く存じ上げないが、
傍から見る限りご家族もペットも養っておられ、番頭さんを雇われており、
少なくとも私よりは、「ちゃんと食べていけている」のではないかと思われる。
この辺のところは、ご自身が上手く発信するしかないと思うけれど、
それを若者に向けて、どうアピールされるのか、ある意味楽しみでもある。
●その先に何があるのか
篆刻界に若者が増え、篆刻は変化しながら発展する。
篆刻の発展が更には日本文化の底上げに繋がる、・・・なんて壮大な!
これって、篆刻に限らず、全ての伝統工芸や手しごとに言えることではなかろうか。
私はいろんな国を巡りその土地の雑貨を探すことを生業としているが、
どこの国でも古い手法を受け継ぐ若者が減り、伝統は廃れつつあると感じずにはいられない。
スロバキアの伝統工芸を守るプロジェクトのスタッフは、こう言った。
「若者は隣国へ働きに出てしまうから、あれもこれももう高齢者しか作り手がいないの」
雨人さんが有名になったその先に、若者たちによって活性化した日本文化があるのかもしれない。
雑貨屋コンロラン店主 タナカヨウコ
タナカヨウコの篆刻探訪記
【記事を書いた人】
ライター:タナカヨウコ
北鎌倉「コンロラン」店主
旅行好きがこうじて北鎌倉に世界の雑貨を扱う雑貨屋オープン
ライター、イラスト、写真と何でもこなすマルチアーティスト
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