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【選毫圓健が欲しい!!】 ~タナカヨウコの篆刻探訪記 #077~

 
  

 
 

 

 

【選毫圓健が欲しい!!】
 
●書道と小筆と私
4歳の頃、習い事の一環として親に言われるがまま、姉と一緒に書道教室に通い始めた。
一応段まで取ったけれど、それはもう大昔のハナシで、使っていた小筆の種類なんて、
全く覚えていないし、気に掛けたことすらなかったかもしれない。
 
とは言え、毛筆で字を書くことは、わりとずっと好きだったから、
書道を止めて、大人になってからも、長らく筆と墨を使って字を書いていた。
 
イラストや漫画を描く時にも、今みたいにワンクリックでバケツを傾けて、
ベタ塗りができる時代じゃなかったから、筆と墨にはお世話になっていた。
 
●筆ペンに心が傾く
20代の頃、とある小売量販店の筆記具部門で働いていた時に、
メーカーさんから色々な文房具のサンプルをいただく機会が結構あった。
 
各文具メーカーさんから筆ペンをいただいたこともあり、いろいろ試してみたところ、
これが、思いの外書きやすく、使い勝手がよかった。
 
墨や墨汁が不要と手間いらず、手入れをしなくてよい手軽さも手伝って、
私は毛筆を裏切り、徐々に筆ペンに傾倒していった。
 
今では何を書くにも(描くにも)、ぺんてるさんのカートリッジ式筆ペンを使っている。
 
●墨を磨る生活雨人さんが20年以上の長きに渡り、ご愛用されているという『選毫圓健』の小筆。
 
先端に見えるの黒い部分は山ウサギの毛、周りの白い部分は羊の毛、使い始めは穂先のみをほぐす。
ほぐした穂先のみを使うのだから、かなり細い文字を書くことができる。
 
「ほほぅ・・・」
 
何だか『選毫圓健』の小筆を使えば字が上手く書けるようになる錯覚に陥る。
どんどん『選毫圓健』の小筆が欲しい気がしてくる。
 
「ちょ、待てよ!?」
 
例えばちょっとしたPOPをササっと書きたい時に、いちいち墨を磨るのは面倒だ。
そう言えば、6年前に片づけ(断捨離)を試みた際に、硯などの書道用具は処分してしまった。
 
飽き性ゆえ、すぐに飽きるかもしれないのに、新たに購入するには気が引ける。
墨汁を買ったとて、それを使い切るほど書きまくるのかは疑問である。
何より、今日の今日まで、筆ペンで十分に満足していたのだ。
 
選毫圓健の小筆 VS ぺんてるの筆ペン
 
私の中で闘いのゴングが鳴り響く。
 
しかしながら、心静かに穏やかに墨を磨る、そんな丁寧な日常にも若干憧れがある。
あの、独特の墨の香り、龍脳の香りが、鼻腔をくすぐる、・・・うっとり。
 
そうだ、もっと心にゆとりが持てる時がきたら(老後でもいいから)、
『選毫圓健』の小筆とともに、墨を磨る生活を送るなんてどうだろう。
 
ちょっと、カッコイイと思う。
 
雑貨屋コンロラン店主 タナカヨウコ
 

タナカヨウコの篆刻探訪記
 【記事を書いた人】


ライター:タナカヨウコ
北鎌倉「コンロラン」店主
旅行好きがこうじて北鎌倉に世界の雑貨を扱う雑貨屋オープン
ライター、イラスト、写真と何でもこなすマルチアーティスト
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