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篆刻は百芸に通ず、篆刻と演劇の共通点

篆刻を通して世界が見える

 
どもども、篆刻家、雨人です
 
 
 
僕が舞台に立つようになってから6年が経ちました
 
娘が演劇ワークショップ講師の先生から、劇団への誘われ
娘だけではなく、なぜか流れで雨人も劇団に入ることになってしまってのこと(笑)
 

篆刻家。役者雨人
役者、加藤雨人

 
もともと演技をやっていたわけでもなく
やりたいとも思っていたなかったので、とんでもない場違いなところに入り込んでしまったと戸惑っていたものですが
回を重ねるごとにすっかり演劇にはまり
今では役者と名乗るほどとなりました(笑)
役者さんには怒られそうだけど
 
 
 
演技をすればするほど、演技と篆刻って同じだなあと思わずにいられません 
 
どこで強調し、どこで溜めを作り、どこで引き、どこで前に出るか
 
相手との間合いは
篆刻でいうと、隣同士の文字の関係
 
隣の文字が張り出してきたら
場所を譲るのか、あえて突っ張るのか
はたまた手を結ぶか
 
その対処の方法で、その印の方向性がはっきり見えます
ゆるい作品にしたければたっぷり間合いを取り
緊張感を生みたければ、ギリギイのラインを攻める
 
隣に太い線が来れば
細い線をあてがえばそれぞれの線の特徴がはっきりするし
同じ線を持って来れば、統一感が増す
  
 

篆刻家、雨人
篆刻

  
劇場は印材
 
小劇場なのか大劇場なのか、音響設備はどうか
声が通りやすいのか、天井の高さは。。。
 
小さな印材、弾けるような印材、ヒビが多い印材
 
 
 
劇場に合わせて演じ方、彫り方が変わります
 
ねじ込むように彫るのか、スピーディに彫るのか
どう観客に響かせるように作品を持って行くか
用意された素材
演劇で言えば台本、篆刻では彫る文字
 
これをどう解釈して行くか
 
 
 

篆刻家、役者雨人
役者、加藤雨人

 
 
演劇の舞台は音響、照明、演出と役割が分担されるけれど
篆刻家は自分で全部を兼ね備えなければならない
敢えていうなら、師匠が演出家か
  
演出家が僕にはいないので、
(いざとなれば師匠の益満丁盦に頼るのだがw)
難しいのは自分の作品が今どういう状況であるかという判断
 
 
これは本当に難しい
  
独りよがりになっていないか、かといって無難すぎるのもつまらない
そのギリギリのラインを常に攻めているつもり
 
 
だけど、どうしても型ができてしまい、一旦型ができるとその型を脱却するのに時間がかかる
 
その型の居心地の良さにどっぷりと浸かりたくもなるし
型ができていることにも気づかない場合もある
 
 
型ができることが弊害かというとそうとも言い切れないのだが
 
 
 
 
 
そんなわけで、僕が演じる時は
ほぼ、篆刻の法をもって演技に臨んでいる 
 
 
 
 
 
ただ、それは演劇に限ったことではなく
ボクシングをやっても、文章を書いても
(この文章でさえ)
僕の生活は篆刻が基礎として成り立っているといっても過言ではない
 

 先日、書家の後輩と飲んだ時
オートレーサーでもある彼がいった言葉
 
レースと書道って一緒なんですよね
 
非常によく分かる
 
 

 
何かを始める時、そこには篆刻がある
 
 
 
 
きっと、野球選手には世界が野球の法則に見えて
陶芸家には陶芸の法則が見えるのだと思う
 
 
 
 
で、結局やっていることは違えど
一芸は全てに通じるのだ
 
 
 
 
 

 

 

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