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篆刻の彫り方、基本編#02 印刀を自由に扱うためのステップ

 
印刀とお友達になろう。

もっと言えば、自分の一部。
 
印刀の感触を伝えるのは非常にムズかしい。
どう言ったらいいのか・・・
 
切っ先の一部のみに集中すると
深く鋭い線が刻まれる。
印刀の前面に力を分散させると柔らかい線質になる。
 
印刀を持った瞬間、
自分の神経が印刀の隅々にまで行き渡るのがわかる。
だから、印刀のどの部分に意識を持っていくか、
どの程度の力をそこへ加えるのか、悩む必要もないのだ。
 
人が卵を持つ時に
力を込めすぎて卵を割ってしまう、ということはない。
指先にどの程度の力を込めれば卵が割れないかを
脳も指も無意識で認識できているから。
 
だから、印刀が体の一部になるまで印を刻み続ければいい。
 
 

篆刻の彫り方は人それぞれ

昨日、久々に希夷斎さんが印を彫る姿を
インスタライブでまじまじと見た。
 
僕と全く違うことを改めて思い知らされた。
 
だから、僕が動画であげている彫り方は、
僕自身の彫り方であって、どんな彫り方をしてもいい。
要は、どんな印を仕上げたいか、だ。
 
僕の彫り方を真似してもいいけれど、それにこだわることはない。
そしてどんな彫り方でも、正解なのだ。
 
様式美化していないというか、
どんな彫り方であろうと、作品がよければいい。
 
多分、彫刻家も、絵描きもそうなのだと思う。
最初に先生の見よう見まねでやってみる。
そのうち、自分のやり方を改良を加えながら発見していく。
そして、師匠とは全く違う世界に到達するのだ。
 
 
よく考えたら、僕自身、篆刻を始めたばかりの頃、
師匠の彫り方を見たことがなかった。
師匠は僕が彫って行った作品の批評をすれども、
僕の前で彫ったことはなかったのだ。
 
そのおかげで僕は誰の影響も受けることなく、
自分なりの刀法を身につけることができた。
 
こうしなきゃいけない
 
断定的にこう教わった初学者は不幸だ。
篆刻家が100人いれば100通りの刀法がある。
一旦刷り込まれた意識を消すのは至難の技だ。
 
師匠からは真剣に学ぶ。
だけど、そこから先は自由に発展させればいいのだ。

 
 
印刀を制御する

印を彫っていると、自然に次曲がる角へ亀裂が入ることがある。
僕は、それに従いその亀裂へと刀を進める。
 
僕は印面にデザインを起こさない。
鉛筆で軽く下書きをするだけ。
 
あとは印刀が勝手に作品を仕上げてくれる。
 
犬を飼っているとわかる。
自由奔放にさせていれば、犬はご主人にさえ牙を剥く。
抑えるけるのではなく、友として。
しかし、主導権は私が握るのだ。
という主従関係。
 
印刀と僕の関係はそれに似ている。
印刀が僕の従順な手足となり、
印刀は僕に全てを委ね、僕も印刀に全てを委ねる。
 
最初は戸惑うと思う。
だって、印刀は暴れ馬のようなものだもの。
全くいうことを聞かない。
 
馬が、手綱のほんの少しの呼吸で乗り手の意思を受け取り、
乗り手は馬の呼吸で、馬のタイミングを知る。
長年の信頼関係があって初めて、石と対峙できるのだ。
 
 

印刀の声、石の声。歓喜の声が聞こえる

信頼関係が出来上がり、
もう、目をつぶったって印が彫れそうな感覚になった時(実際は彫れんけどねw)、
身体中から歓喜の歌が湧き上がる。
この瞬間、間違いなどあろうはずはないと確信する。
全てが一体となって、見事な調和が出来上がるのだ。
 
しかし、その歓喜に溺れちゃいけない。
なぜなら、その歓喜は今の自分のレベルの歓喜だから。
その先の扉を開く鍵は渡された。
未知の世界へ、未知の世界へ・・・

 
 
 
どうしていつもこう話がそれるのか・・・(汗)

印刀を制御する一番最初の作業は、
線をまっすぐ引くこと。
そして、止まりたい時に止まること。
 
これが第一段階。
 
つるんとすべり、線を欠けさせ、
とんでもない方向に線が進み、
死にたくなる印が出来上がる。 
 
でもね、今日彫ったその事実は積み重なる。
筋トレのように、目には見えないスピードで積み重なる。
 
いつか、後ろを振り返った時、
必死に彫っていた不格好な印たちが、
とても愛おしく見える日が来る。
 
そして、じつはその不恰好な印たちが、
雄弁に愛を語り、
ぼくは、また、その不恰好な印たちの世界へ戻ろうと、
手に入れた技術を捨て始める。
 
 
そんなものなんですね(笑)

 
 
 

今年の催事情報

今年も色々なところに出張実演販売を行います
お近くにお寄りの際は是非遊びに来てくださいね!

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【記事を書いた人】

篆刻家、加藤雨人(うじん)
1975年生まれ
北鎌倉の篆刻工房「かまくら篆助」にて毎日篆刻を彫って暮らしています
詳しいプロフィールはこちら
 
篆刻家/役者/ラジオパーソナリティ/
 
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