篆刻で気に入らない印が出来上がったらどうするか。摩り下ろせばいいんです(笑)
篆刻に失敗すると、人生のどん底のような気分になる(笑)
そりゃそうでしょうね。
何時間もかけてデザインを起こし、
さらに何時間もかけて一所懸命逆さに字を写し・・・
そしてまた時間をかけて彫って出来上がり寸前に、
バッキリ線を落としてしまう・・・
もーーー、篆刻なんか嫌い!!!
ってなる気持ちわかります。
初学者にとっては、もちろん真剣にやるのは大事ですが、
失敗してもいいやって気持ちで彫るのが、
篆刻を長続きさせるコツ。
そして、失敗しちゃったら、
どこでどう失敗したのか、
その失敗した印材で何度も検証をする。
書道では、失敗した紙に何度も線の練習をして、
腕に感覚を叩き込む。
でもなぜか篆刻をやる人は、
失敗したら、すぐ次の印材に取りかかるんです。
失敗したらチャンスだから、
その印面がぐっちゃぐちゃになるまで
線を引けばいい。
引けば引くだけ、印刀の感覚、印材の感覚が
手に腕に体に染み込みますからね。
自由奔放に石を削っている時が
その感覚が一番わかりやすい。
本番だとどうしても、うまく彫らなきゃ、失敗しないようにと、
恐る恐る印刀を進めてしまうので
なかなか思いっきり引けない。
その分、失敗した面ならば、
気兼ねなく線を引けるでしょ。
どうせすりおろしちゃえばいいんだから、
もう、グッズグズになるまで練習すればいいの。
そうしたら、彫り直す時、
全く新しい感覚になっていることに気がつくはず。
そうなのよ。
なかなか、篆刻を彫る技術が上がらないのは、
圧倒的に印刀の感覚を味わうことをしていないから。
もう、思いっきり自由に彫りまくれば、
自ずと手に馴染んでくるもの。
こればっかりはいくら本を読んでもダメ。
逆に本が弊害になることさえある。
刀法は自分だけのもの。
長年培った経験で自然と出来上がる。
だから、やっぱりたくさん印を彫ることが大事なんだなあ・・・うぢん
今年の催事情報
今年も色々なところに出張実演販売を行います
お近くにお寄りの際は是非遊びに来てくださいね!
【記事を書いた人】
篆刻家、加藤雨人(うじん)
1975年生まれ
北鎌倉の篆刻工房「かまくら篆助」にて毎日篆刻を彫って暮らしています
詳しいプロフィールはこちら
篆刻家/役者/ラジオパーソナリティ/
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