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「はんこ文化は生き残る!?」 ~タナカヨウコの篆刻探訪記 #033~

 
 

 

 

 

 
「はんこ文化は生き残る!?」
 
●はんこ廃止論を再び語る
 
記念すべき?ワタクシの本ブログデビュー投稿に選ばれし動画について。
正解が解らぬまま記事を書き上げたあと、
雨人さんに「こんなんでよいのか?」とお伺いを立てた。(→よいらしい、ほっ)
 
その際、
「たぶんこの動画で5本くらいは書ける、長くなってまとまらないから切りよく収めた」
などと生意気を言ったことを思い出したので、再び語ることにする。
 
以前物議を醸したIT政策担当大臣が去る5月に、
件のはんこ議員連盟会長をお辞めになられていたそうだ。
 
ふぅん・・・。
 
IT政策、すなわちデジタル化とはんこ文化が相反するということで、
整合性に欠けると非難されていたわけだけど。
 
リモートワークが推進されまくるコロナ禍で、
はんこをもらうためだけの出勤が疑問視される中、
更に矛盾が大きく取り沙汰されてしまった、そんな出来事だった。
 
 
●サラリーマン時代のはんこ事情
 
今はひとりで事業を回しているので、はんこに翻弄されることはない。
では、サラリーマン時代はどうだっただろう?
 
私は大阪に本社がある企業の、都内にある事務所に通勤していた。
しかし、それが間借り(机借り?)のようなわかりづらいビミョーな立場だった。
 
配属は在大阪の部署、同僚や直属の上長は「採用本部」という場所に机を並べていた。
更に上の上長や役員は、大阪の「本部」という別の場所にいたため、
1枚の書類が社内メール便で何か所かに寄港し、決裁が下りるまでに時間が掛かった。
 
不備があろうものなら、また社内メール便に載ってぐるりと戻されてくるので、
気の遠くなるような古いやり方に、もっと無駄のない方法がある筈と舌打ちをしていた。
 
実際自分自身が、「読みました」「書きました」「承認します」「提案します」
という意味合いで押すはんこは、いわゆるシャチハタだったので、
社内にも同姓がたくさんいたことを考えると、不正なんて容易にできてしまう。
 
ときどき、はんこを忘れたりなくしたりした、
別部署の同姓社員が「はんこ貸してください」と、やってくることもあった。
 
ひどい時には違う苗字の社員が、勝手に私のはんこを押していたこともあった。
(さすがにこれには怒った)
もはや、はんこに意味などなかったのではないだろうか・・・。
 
 
●デジタルとアナログの共存
 
現在の事業で馴染み深い国のひとつエストニアは、最先端の電子国家である。
国民の98%が、電子署名のできる電子身分証明書e-IDを所持、電子契約が普及している。
 
電子署名の方が不正はしにくいため、紙の契約書だと逆に怪しまれてしまうとか。
 
また、電子署名の普及により膨大な時間とコストと森林資源(紙)が削減できる。
果たして日本に、電子署名が当たり前となるそんな日は来るのだろうか。
 
広島のとあるはんこ屋さんで、一級印章彫刻技能士による手書き文字を、
電子印鑑にするサービスが話題になっている。
 
デジタル化とはんこ文化の共存、いや、デジタル化に迎合したはんこ文化、か。
 
あんパンを生んだ日本だもの、何かに何かを取り入れて、
新しい何かを完成させることは得意なのだ。
 
はんこ文化を維持しながら、書類のデジタル化を進める。
たぶんできるような気がする、いやきっと、できるに違いない。
 
はんこ文化はなくならない。
 
 
雑貨屋コンロラン店主 タナカヨウコ
 
 

タナカヨウコの篆刻探訪記
 【記事を書いた人】


ライター:タナカヨウコ
北鎌倉「コンロラン」店主
旅行好きがこうじて北鎌倉に世界の雑貨を扱う雑貨屋オープン
ライター、イラスト、写真と何でもこなすマルチアーティスト
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