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【柘(つげ)のこと】 ~タナカヨウコの篆刻探訪記 #059~

  
 

 

 

【柘(つげ)のこと】
 
●印材いろいろ。
印材となる石について、青田石だの巴林石だのがあることを知ってまだ日は浅い。
云わば、印材初心者である。
 
そんな私が、中国から入ってくる石の印材が値上がりしているとの新しい情報を得た。
資源には限りがあるのだから仕方がないことなのだろう。
 
私は台湾で作った水牛の角でできた印を持っている。
石以外にも、動物の角を含め、様々な素材があるという。
 
ふむふむ、なるほど、これはなかなか興味深いハナシである。
 
竹の根っこに、植物の実のヘタ、ワシントン条約で制限がある象牙などなど。
中でも心の琴線に触れた、というよりただ個人的に気になったのが木印と陶印。
 
 
●天然生活と髪を解く道具。
私は10数年前から、
身の回りのものはできるだけ天然素材のものを選ぶ「天然生活」を送っている。
とはいえ、完全に100%は難しいというより無理に等しいので、可能な限りで。
 
例えば、髪を解きつつ地肌のマッサージをする道具、ヘアブラシや櫛について。
 
髪を解くプラスチック素材のヘアブラシの静電気が嫌で、豚毛ブラシに変えた。
しかし、私の剛毛多毛にブタさんの毛が負けてしまい、地肌に毛先が届かなかった。
 
その後、ドイツ製のオリーブの木と天然ゴムでできたヘアブラシをみつけて購入した。
これは握り心地がとてもよく、地肌に当たる感触もキモチよく、たいへん気に入ったものの、
天然ゴムの劣化でピンの部分が抜けてしまい、半年も経たずに、お別れすることとなった。
 
 
●『こぎつね』の謎。
ヘアブラシジプシーとなった私の脳裏に、とある童謡が降りてきた。
 
こぎつねコンコン
〜中略~
つげのくし
 
子どもの頃によく歌った『こぎつね』である。
この歌による刷り込みで、きつねの鳴き声はコンコンだと思い込んでいるフシがあるが、
どうも疑わしい・・・というのはまた別の話で。
 
ドイツ語の原曲タイトルは『きつねがガチョウを盗んだ』という意味で、
盗んだガチョウを返さないと鉄砲で撃たれるよ、ねずみで我慢しておきなよ、という内容。
 
もはや、訳詞との共通点はきつねだけ?なんてことも、これまたどうでもよくて。
 
本題は「つげのくし」、である。
私は早速、柘の中でも高級品らしい国産薩摩柘の櫛を買った。
 
話すと長くなるのでここでは割愛させていただくが、
とにもかくにもこの柘櫛が、ものすごくよくて、以来8年以上に渡り、愛用している。
 
 
●いつの日にか柘の印を。
こちらの動画の中で、木印に使用する木について、いの一番に柘が挙げられた。
流石、私の見込んだ柘だけあると、声には出さずに童謡『こぎつね』を歌ってみる。
 
柘は、繊維のキメが細かく緻密で、触感がよく、木目が美しい。
櫛だけでなく、印にも適した素材なのだ。
 
また、木と石を横並びにしたこの漢字も、印材に適することを納得させる感がある。
嗚呼、なんだか、柘の印が欲しくなってきたぞ。
 
そして私は、今日もまた、薩摩柘の櫛で髪を解く。
歳を重ね髪は痩せてきたし、以前ほどの剛毛多毛ではなくなってしまったけれど・・・。
 
たまに、海外のホテルなんかで、洗面所にある使い捨てのプラスチック製のものを使ってみると、
改めて柘櫛のよさを実感する。
 
こぎつねじゃないから、草の実をつぶしたお化粧(オシロイバナかな?)も、
紅葉の簪も使わないけれど、柘の櫛はきっとずっと、使い続けることだろう。
 
そうそう、もうひとつ気になっている陶印については、またいつか語らせていただく、かも。
 
雑貨屋コンロラン店主 タナカヨウコ
 

タナカヨウコの篆刻探訪記
 【記事を書いた人】


ライター:タナカヨウコ
北鎌倉「コンロラン」店主
旅行好きがこうじて北鎌倉に世界の雑貨を扱う雑貨屋オープン
ライター、イラスト、写真と何でもこなすマルチアーティスト
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