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【ひらがな】 ~タナカヨウコの篆刻探訪記 #060~

  
  

【ひらがな】 
●ひらがなを彫る
雨人さんは、気軽に誰でも簡単に、先ずはひらがなを彫ろう!そう言い放った。
 
印刀で線を刻むことさえできれば、文字を彫るのはお手のもの、
しかもひらがななら、誰が彫ってもかわいく彫ることができる、と。
 
確かに、ひらがなは画数も少ないし、複雑な漢字に比べしたらバランスをとり易い。
いや、例えバランスが悪くなっても、それはそれで味がある。
 
なんだか自分にもできそうと思わせてくださる、雨人さんの巧妙なトークにご注意を(笑)
 
 
●そう言えば、漢字を彫るのは難しかった
かつて消しゴムはんこが流行り始めた頃、消しゴム好きで工作好き、
好奇心旺盛な私はまんまとそれに飛びついてしまった。
 
しかし、人の言う通りにするのが苦手で、料理もレシピ通りに作れない(感覚で作る)私。
教本などは読まずに、我流でテキトーに彫って遊んでいた。
 
確か年賀状のシーズンに、住所印を作ろうと思い立った。
道具もちゃんと揃わない、家にあるものでの間に合わせ、
なのに、朱文(文字部分を残して彫る)にしたかったものだから、あら大変。
 
郵便番号は難なく彫れたものの(←自己申告)、神奈川県の「神」の字で挫折して、
結局全て、カタカナで彫ったと記憶している。
 
当時は川崎市に住んでいたのだが、
そもそもアパート名を含め、住所が長すぎ、画数も多すぎなのだ。
 
何が言いたいのかと言えば、初心者が漢字を彫るのは難しいということ、それに尽きる。
 
雨人さんのおっしゃられる通り、ひらがな一文字を白文(文字部分の白抜き)で彫ることは、
初心者にはとっつき易い入口だと頷ける。
 
しかもそれが、それなりにかわいく出来上がったとしたら、
どんどん楽しくなって、次々に彫りたくなるだろう。
 
 
●ひらがなはかわいい!
重複するが、ひらがなは誰がどのように彫ろうが、それなりにかわいく彫れると言う。
なるほど、その通りだと思う。
 
だって、ひらがなそのもののフォルムや佇まいがかわいいのだから。
 
そもそも、ひらがなの元を辿れば漢字に行き着く。
借字、日本語の音をその意味とは無関係に漢字に割り当てたところが始まりで、
数段階の省略過程を経て変化していった。
 
それぞれの元となる漢字から、変化の過程を想像するのは面白い。
 
「己」が「こ」に、「寸」が「す」に、変化したというのは、とてもわかりやすい。
 
「こ」を急いで書いたら筆跡が繋がり、「己」にかなり近づくことは容易に理解できる。
「寸」の真ん中の点を丸く結ぶように繋げるとは、センスのよさを感じさせてくれる。
 
「計」が「け」になることには、個人的に異議ありで(笑)
偏の「言」が縦棒一本と、省略されすぎたのに対し、
旁の「十」はほぼほぼそのままだなんて、不公平が過ぎやしないか?
 
そんなことをあれこれ考えながら、ひらがな一文字に思いを馳せて彫りすすめるのも、
そう悪くないと思ったりするのであった。
 
雑貨屋コンロラン店主 タナカヨウコ
 

タナカヨウコの篆刻探訪記
 【記事を書いた人】


ライター:タナカヨウコ
北鎌倉「コンロラン」店主
旅行好きがこうじて北鎌倉に世界の雑貨を扱う雑貨屋オープン
ライター、イラスト、写真と何でもこなすマルチアーティスト
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