【歳を重ねる重み】 ~タナカヨウコの篆刻探訪記 #084~
【歳を重ねる重み】
●逗子の海岸から
波の音
虫の声
若者たちのはしゃぐ声…
月明かり
街灯り
漆黒の波に反射する光…
築地で開催されている篆刻教室の帰りに、電車で寝過ごして、
金沢八景まで行ってしまった雨人さんは、
そこからまっすぐご自宅へ帰らずに、支線に乗り換えて逗子へと向かう。
夜の海岸から届く動画も、これまた乙なものである。
●電車と睡魔
電車の心地よい揺れに身を委ねると、すぐにマモノに取り憑かれる。
睡魔という名のアイツとの闘いに、勝てる筈などないという諦めの境地で、私は深い眠りに落ちる。
電車が混雑する繁忙時期と、早出して高校生の通学時間に重なる時以外、
朝夕20分ずつの時間は、「お昼寝タイム」として私の身体に沁みついてしまっている。
大抵、目的地の少し手前で目覚めるのだが、ごく稀に、その先まで行ってしまうことがある。
先月は、2日連続でやらかしてしまい、「2度あることは3度とない!」と気を引き締めたところ、
翌日の3日目には1つ手前の駅で降りるという、逆ポンコツ?をやらかしてしまった。
話変わって帰宅時、北鎌倉駅から上り電車に乗る際に、運良く?「ホリデー快速」に当たることがある。
「ホリデー快速」とは行楽シーズンの休日に、武蔵野線を経由して南越谷⇔鎌倉間を結ぶ臨時列車で、
以前は、追加料金なしで自由席への乗車が可能だった(今は全席指定らしい)。
北鎌倉で乗車した後、大船から横浜までノンストップと、大変ありがたいのだが、
寝過ごして横浜駅を降り逃がしてしまうと、なんと、次は西国分寺駅までノンストップという・・・、
私には大変スリリングな代物だった(笑)
●カナワナイ
築地の篆刻教室は、60歳以上のシニアクラスで、10回の受講でかなり彫れるようになるそうだ。
人生を重ねた方々が彫り出す線には、雨人さんを以てしても「カナワナイ」という。
そうか、そんなところにまで、知識や技術では補えない経験とか生き様とかが表れるのか。
まあそれはそれで、なんだか、ステキだな、と思う。
そして、私もいつか誰かに「カナワナイ」と思ってもらえるように歳を重ねていけたらいいな。
雑貨屋コンロラン店主 タナカヨウコ
タナカヨウコの篆刻探訪記
【記事を書いた人】
ライター:タナカヨウコ
北鎌倉「コンロラン」店主
旅行好きがこうじて北鎌倉に世界の雑貨を扱う雑貨屋オープン
ライター、イラスト、写真と何でもこなすマルチアーティスト
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